日々のこと30


ジョギング8 どううやらこんなもんじゃ編


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 インターネットのADSL化に振り回されていた間も、
取敢えず走り続けていた、ジョガーのカガミは僕です。 
ただの癖だろうと、見抜いたあなたは、やっぱりジョガーのカガミです。
 どうして走ることって中毒っぽくなるのでしょうね。
 
 去年の後半は一日平均10キロを走ることを目標に、いちおうそのとおりに出来ましたが、
代償もやはりあったのは、過去に書いたとおりです。
 つまり故障が思いのほか多く、何度かのジョギングについての報告は、
ほぼ故障、怪我とのタタカイぶりに終始しました。
 さて昨日、近隣の公園を走り出してすぐに思ったのは、
ひさしぶりに走ることについて書いてみよう、でした。
 春めいた日差し、そして何よりも、感動的だったのは、『どこも痛くない! 』でした。
 周回コースを、ゆっくりジョギングしながら、どうやら自分の走りのペースが分ってきたので、
そんな自分の年齢にふさわしいジョギング・スタイルを披露しようではないか、
と思ったのでした。

 四十代になった頃の僕の走りは、専門誌の知識をそのままに、
やれヒルトレイクだ、やれロング、スロー、ディスタンスだ、
やれウィンドスプリントだのと、人体実験にあけくれたのでした。
 そして十年。去年の再出発は、ほろ苦いものでした。
 じゃっかんの体力、走力低下はいなめないとは思ったものの、
これほどのダウンぶりを味わうとは想像もしませんでした。

 腰痛、膝の故障、ケイチョウ靭帯の故障、外反母趾、
などの名だたる故障から、単なる筋肉痛、または脚があがらず、
ちょっとした段差につまずき起こす指の打撲など、
ここにはわざわざあまり書かなくてもいい面々まで、
紹介というか、白状し続けることになりました。
 、書くたびに加齢だかなんだか知らないけれど、
自分のだめさ加減を報告することにしかなりませんでした。

 記録の面でも、新年の三十キロレースは、一キロ四分半をまもるのが精一杯でした。
 ただし、実は自分の予想は五分がいいところと思っていたので、
内心はほっとしたのですが・・・
 それにしても十年前の記録とは比べるべくもありません。
 そして昨日、書いたように陽気と体調のよさにうかれて、
僕はジョギングについて、久しぶりにここに報告したいと思いたったのです。
 五十代なら、それらしい落ち着きと、
ちょっとは読んでくれる方々の参考になる雰囲気のある文章にしたいと、
村上春樹調がこの場合いいかもしれない、
いや、やはり村上龍調に、じゃっかん過激な表現も必要だろう、
運動なんだし・・・とたいした読者でもないのに、うきうきと周回をかさねていたのでした。

 いちにちごとに日が伸びているとはいえ、
早春の夕昏れはめがねのない僕の視力では、つらいものではあったのです。
 でもあたまの中では、少々感傷的ながらランニングの名文が出来上がりつつありました。 
今までとはうってかわり、痛いだの痛くないだのとは無関係の、
もっとスピリチュアルな迫り方の『ランニング論』が、
ここに発表されることは間違いのないところでした。
 まあ、後は家に帰ってパソコンで起こすだけとの、
気楽さからいつにもまして快いランは続いていたのでした。
 連日の雨もよいから、地面がぬかるんでいる箇所がありました。
視界のはしっこにとらえつつ走っていたはずでした。
 落とし穴は、けものみちにあるだけではなかったのです。
ちょっと、ほんとうにちょっとだけすべったのてす。

 新しい故障の名前は『肉ばなれ』でした。
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