日々のこと37
1986年予定作品
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その後/ 及川版・動物植物事典の新解釈が届きました。2004/1
 「1986年予定作品」というタイトルの一枚のプリントが出てきた。
僕が38歳ごろのものである。ともかく羅列してみよう。
1       怪獣“ぼんぼり食い”と仲間たち
2       白い器のバラード(黄金少年は、黒いじゅうたんの上に落ちていた
3       鼻山脈が油の中を、滑ってゆく
4       笑顔のにらーレバーよ、君の電話番号を教えておくれ
5       北回帰線はやしの木に絡みついた
6       跳ねろ 晴れろ 果てろ ゴージャスに
7       ニュータウンは三分で~烏に誰が教えたの
8       我がひげ鯨、最初の話はあのネのネ
9       ピューリタンよ、水餃子には気をつけて
10     京都で私は迷子になるの
11     せめて燈台まではとセンセイは言った
12     うわあ 私初めて見た。顔のアップはすぐ欲しい
13     くしゃくしゃテレビとアネモネ時計
14     虎錦物語を透かして見たら
15     好かんな(すまんな) そんな大きなマリファナ
16     後姿で振り向くとねそこには顔があった
17     休憩
18     よく聞こえないけど、どうしたの
19     まぁ 可愛いイタチとあの子は叫んだ
20     九人のモリスが去った後に、実は僕が住んでいました
21     万歳 山崎武(たける)さん
22     フリーハンドでほんとにほんと―だいだい色は嫌いですか
23     あなたのお名前なんてえの?
24     ぴろした きゃぴおと申します
25     お内裏様は上野のダンケシェーン
  以上である。このころこんな題名の歌を作ろうとしていたのだろうか。
白を切るのはよそう。
作ろうと少し実際に思っていたのだ。
その記憶は割合しっかりと、残っている。ひとつひとつの内容などはまるで思い出せないが。
僕の“作風”からはけっこう距離のある、これらの題名で、
では、どんな歌を作ろうと考えていたのだろう。
などと、持って回ったが、ひどく鮮明に記憶していることがある。
  それは、歌いにくい歌を作ろう、だ。なぜかというと…これが、いやになるほど、
濃くて多量の理由があり、あえてここでは、ふれない。

 この25個の題名は、おそらく一息に書かれたに違いない。
“休憩”などと、タイトルとしてはどんなつもりなのか、判断しかねるものや、
“よく聞こえないけど、どうしたの?”など、そのままのものもある。
“あなたのお名前なんてえの?”は言うまでもなく、トニー谷司会のテレビ番組だし、
“京都で私は迷子になるの”は演歌でも書こうとしたのだろうか。
 この言葉の羅列は、ついに歌にはならなかった。
たったひとつ“ぼんぼり食い”だけは、短文となって、
女優で陶芸家の結城美栄子さんの本の中に、生き延びた。
 さて、この「1986年予定作品」というプリントを裏返してみると、
こんなものが印刷されている。

  《及川版・動物植物事典》
1  海底わかめ/2  針かげろう/3  箪笥亀/4  負け惜しみ熊/5  時間差チェリー
/6  探偵魚/7  多目的猫/8  どぶろくダリア/9  もっともらシイの木
/10 ;ボールぺんぺん草/11 社長の椅子苔/12 大部分にせア

 こうなると、自分でも書いた真意ははかりかねる。
ところで、どなたかこれらの生き物を図解していただけませんか。

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