日々のこと62
わかる歌、わからない歌
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  現代短歌作法「わかる歌、わからない歌」
2007年4月21日 Aカルチャーセンター
講師 笹公人 穂村弘

 テキストになる公募作品と、進行表のコピーを入り口で貰う。
短歌のあつまりに参加するときは、正直だあれもしらないので、
気が楽と言えば気が楽。

 進行表には、かなり歌壇の内部事情にふれる項目がならんでいる。
実際、対談はそこから始まったのだが、聴きようによっては、
フォーク音楽界(あるとすれば)に当てはまる。

 ちなみにコピー紙にある作品をいくつか並べてみる。

マイケルの秘密の部屋で君が見た ステージ8へ繋がる土管 
(かんちゃん)

1DK 2DK 3DK 4・5が無くて 6DK  
(加藤あい)

あのね、アーサー昔東北で摘んだだろ鬼の脳(なづき)のやうな桑の実 
(岡井隆)

 

 そして、「付け句デインジャーNIGHT」と銘打っての企画モノ。

 つまり笹さんの「墓場から出で来しゾンビ先生の」の5,7,5に、
7,7をつけるわけである。
たぶんネット上でも、こういうことをやっていらっしゃるのだろう。
数十のエントリー作品から、この日は最後に参加者の挙手により、

墓場から出で来しゾンビ先生のプロフィールには享年の文字
 (あきえもん)

 が選ばれた。

 手元に、候補作品のコピーがあったわけだから、ぼくも自分なりに、
いくつか選んでみたが、笹さん、穂村さんが選ぶものに、
かすりもしなかった。
うひゃー、と心のなかでさけんでいたのだ。

 二つめの付け句は「校長の無心念仏」5,7に
5,7,7をつけるというもの。
こっちのグランプリ作品もやはり最後は、参加者の挙手によった。

校長の無心念仏 貧血の少女集まり人文字となる 
(松本響)

 だんだん選考基準が分かってきたので、こちらは当たったし、
途中いくつかの候補作も、だいたい重なった。
そのときは、うれしかったが、洗脳されたということでもあるな。
まあ、その世界を理解するということは、
朱にまじわる必要もあるしね。


 

 二時間はあっという間だった。
講師お二人のかけ合いは、非常に興味深いものだった。
内部事情をほぼ知らないぼくには、
意味をつかみかねることもしばしばだったが、
二人の専門家による会話は、間合い、リズム、言葉の温度など、
その変化を聴くだけでも、相当おもしろかった。
その道のプロが、というところがミソなのだ。

 講座が終わって、懇親会がもたれ、ぼくも参加させてもらった。
なんと、笹公人さんは、ぼくを知っていた。
昔ぼくが坂本龍一氏、山下達郎氏と作った
「コロポックル」という曲の入ったLPが
ネットオークションで8万円の値段が付いているという。
それを買おうか迷っていると。

 それ、もうすぐCD化されて出ますよ。
つい先日、打ち合わせしてきたからほんとうですよ、と伝えた。
本当ですよ。

 もうひとりの講師であった穂村弘さんは、
ぼくがよく彼が参加している講演を聴いているので顔見知りである。
 ぼくのような団塊の世代に対する興味があるようで、
しつもんのアラシだった。
すこし幻想まじってません?ほむらさん・・・。

 写真は、その日いただいたり、購入した本。
「納豆の大ドンブリ」というタイトルははちなみに、笹作品から。


笹公人

穂村弘


参考

日々のこと52

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